間口や階層、自店の入っているビルの入口など、建物の構造上の理由が、集客を阻むこともあります。中でも、店舗の顔である間口の印象は、お客の心理に大きく働きかける要素。狭くて入口が小さい、道路からセットバックしていて暗いなどのマイナスポイントがある店舗は、お店があることに気づいてもらえても、入店を躊躇させてしまいます。また、複数の店舗が入るテナントビルの場合、ビルの入口や階段など、建物の共用部分が多いほど、「建物の中で迷ってしまいそう」「他人との接触が多く、気を使う」などのお客の不安要素を増やしてしまいます。この傾向は、上層階になればなるほど強まるようです。
しかし、これらの建物制約があっても、工夫次第で、お客が来店しやすい店舗へと変身させることができます。間口が狭い場合は、ガラス面を多くして開放的な雰囲気を演出したり、その店らしさを表す個性的なディスプレーをしたりすると効果的です。壁面の色やライティングをアレンジするだけでも、明るい印象が与えられ、隣接する店舗との差を明確にすることができます。お店が上層階にある場合は、路上はもちろん、建物の壁面やガラス窓、エレベータ内や階段にも許可が下りれば看板を掲出し、店舗へとわかりやすく誘導します。このとき、看板のデザインをすべて統一しておくと、お客がより安心してお店までたどり着くことができます。 |