店舗経営において、商圏のニーズを見極める際に、大きなポイントになるのが客層です。学生街に高級料亭を出店したり、ファミリーが大半を占める住宅街に、子連れでは入店できないおしゃれなバーを作ったり、商品やサービスが客層に合っていないと、オープン直後は賑わっても、その後のリピートに全く結びつかない可能性があります。
また、ターゲットとなる客層によって、店舗設計や内装・外装のデザインも違ってきます。飲食店でも、ダウンライトの照明計画にカウンター席を配したムード重視の店舗は、若者やビジネスマンの来店が多い都心部には適していますが、ファミリーが客層のエリアには不向きです。家族での来店を想定するなら、ゆったり座れるボックス席を多くし、お互いの顔がよく見えるよう照明を明るくするなどの配慮が求められます。
さらに、もうひとつ考えておきたいのが、商圏の所得水準です。価格に敏感な主婦層の多い地域では、商品やサービスの値段設定もよく検討する必要があります。また、基本的に、所得水準が高くても低くても、安くて良い物は売れますが、高級住宅街では商品や店舗同士を比較する目が厳しい傾向にあります。初めて訪れたお客を必ずリピーターにできるような、優れた商品力の確保も重要です。 |