店舗の外観は、そのお店がどんな商品やサービスを提供しているのかを伝える重要なメディアの役割を果たしています。ですから、通行人をはじめ、不特定多数の人を集客するためには、その店舗が何屋なのか一目ではっきりイメージできるような外観デザインを目指すことが重要です。
最近では、アミューズメント施設を思わせるにぎやかなデザインを施した飲食店や、アーティスティックな店づくりを追求したギャラリーやオフィスのような衣料品店など、同業他店との格差を図るために、外観を個性的に仕上げたお店も数多く見かけます。しかし、こうした店舗は、そのお店に来ることを目的にしている人は来店しても、通りすがりの人まで取り込むのは難しいケースがほとんどです。また、和食なのかフランス料理なのか、気軽に入れるレストランなのか高級料理店なのか、わかりづらい飲食店のように、業種は理解できても、商品のジャンルや価格帯などのイメージが湧きにくいお店は、敬遠されてしまいがちです。
どの業種も、それぞれに一般的に定着した店舗のデザインやカラーがあります。それらのイメージを完全に崩してしまうことのない範囲で、店舗の個性を表現するのが、店舗デザインを考える上での基本といえるでしょう。 |