どのような業種のお店でも、出店前に「商圏」の質について、よく調査しておくことは大切です。商圏とは、自店への来店が見込まれるお客のいるエリアのこと。人の動線や競合店の存在によって変わってきますが、基本的に200坪くらいまでの規模の店舗で、約5分の範囲と言われています。ここで、どのような人が、どんな生活をしているのかを見極めておかないと、商圏に全くニーズの存在しない店舗を出してしまうおそれがあります。
たとえば、都心部に若者向けの衣料品店を出店しても、そこが、ビジネスマンが慌ただしく行き交うオフィス街であれば、商圏からの集客は難しくなります。また、健康ブームとともに、都心のデパートに出回り始めた有機野菜などの自然食品を、農業の盛んな地方の町で販売しても、都心と同レベルの売り上げは得られないでしょう。
賃料が安い、立地が良い、建物構造が優れているなど、いくら好条件の整った物件でも、その商品やサービスを求める人が周りにいなければ、商売を成り立たせることは困難です。「売りたい物」を「買いたい人」がいる場所に提供することが、繁盛店を作るための第一歩です。 |